学生の声

【後編】同性婚の法律をつくりたい。日本代表としてスウェーデンへ留学。

同性婚の実現を目指して、スウェーデンに19ヶ月留学をしている弥那(やな)さん。

前編では留学を決めた理由や学生時代の思い出について語っていただきました。

後編では、弥那さんのターニングポイントや夢についてお聞きします。

自分はひとりじゃないと思えるように

弥那さんの写真

ー元々カミングアウトできなかったんですよね。何がターニングポイントだったんですか?

大学1年生の12月に参加した、賢者屋のximix*かな。

ximixで当事者の学生に会って「自分以外にもいるんだ」って思ったのと、その人が昔の僕から見たら男性経験がある人で(笑)。

それで「普通に付き合えるんだ」って思った

そのときのximixのテーマが”年商1000万の事業を計画する”ってやつだったんだけど、カミングアウトを支援する事業を考えたんだよね。

そこで出会った子とはずっとLINEをしてて

「現実的に(事業を)できそうならやってみたら?」

って言われた。

それから、ただカミングアウトを支援するだけじゃなくて”自分はひとりじゃない”って思える場所をつくりたい、と思うようになったんだよね。

LGBT(Q+)の支援のカフェとか、人が集まれるところがいいなって思う。

僕は中学高校のとき死にたいとか思ってたから「自分以外にもいるんだ」ってことを知ってほしい。

(LGBTQ+の人が使う)アプリはやってたけど、それまで直接人に会ったことはなかったから。

ximixとは?

賢者屋が主催している、LGBTの幸せ追求をする新規事業立案1day INTERNSHIP

参照:!XIMIX!-ミックス-運営事務局

https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLScS0FZH6542dISooPrbXxdKVyy5oW4msAXeNOZGJMNjY2w/viewform

ー「同性愛者でよかったことは?」と友達に聞かれた、って言ってましたよね。

そう。こうさんに「この話をしたい」って思ってたの(笑)

僕は、

・温泉に一緒に入れること

・体の構造が一緒で、感じ方の性差があんまりないこと

が良いことだと思ってる。

男女で温泉に行ったとしたら、お風呂の前で、終わった後待ち合わせしたりしないといけないじゃない。

あと、バラバラに入るのはさみしいよね。

でも男同士だったら一緒に入ってのんびりできる。

身体の構造だと、男女間で生理が理解されないとか、子どもを産むときとかに性差がある。

出産は痛いって聞くけど分からないし、生理で血が出るとかも分からないし。

男子も、ホルモンバランスが乱れるとか色々あるのに名前すらついてない。

思春期で片付けられちゃう。

同性婚の法律をつくりたい

スウェーデンに向かう飛行機で撮った写真

ーどうしたら同性婚を実現できるのでしょうか。

同性婚が認められるためには、法律家になって外側を固める道と、LGBT(Q+)活動家としてみんなの意識を変えて法律をゴールとする道があると思ってて。

法律を最初にやるか、法律をゴールとするかみたいな。

スウェーデンに来る前までは法律をゴールとしてたけど、前者の方が日本人に合うのかなって思い始めた。

今パートナーシップ制度*があるけど、地域によってまちまちなんだよね。

同性パートナーの手術のときにサインができるところもあったりとか。

それが同性婚になったら全国津々浦々に同じ基準になる。

だから同性婚の法律をつくりたい。

将来どの職業にするかは決めてない。

法律家とか弁護士になるか、民間就職か、起業するか、大学院かで悩んでる。

カナダの大学院の先生からも推薦をもらってて、もし行ったらカナダで3年過ごすことになるんだよね。

パートナーシップ制度とは?

同性パートナーシップ証明制度のこと。これは地方自治体が、同性カップルに対して、二人のパートナーシップが婚姻と同等であると承認し、自治体独自の証明書を発行する制度。

参照:OUT JAPAN「同性パートナーシップ証明制度とは」https://www.outjapan.co.jp/lgbtcolumn_news/out_proud/PartnershipOath.html

ー日本とスウェーデンの違いを感じるときはありますか?

スウェーデンは”ゲイ”とかの前に、そもそもジェンダー・イクオリティーが高いんだよね。

ママ友のパパ版がある。

パパ友みたいな。

ベビーカーを押してるパパ同士が一緒に散歩してる光景はよく見るよ。

あと、(性別を表す)”Mr”とか”Mrs” って言葉がない。

“ゲイ”とかって次元を超えて、ひとりの人間に対してひとりの人間として向き合ってるなって思う。

ヤンテの掟*が文化の根底にあるから、それでじゃないかな。

”自分を尊重してもらうために相手も尊重しろ”という考えなんだよね。

価値観として、自分と全く同じ人なんていないわけだし。

ヤンテの掟とは?

スウェーデンやデンマークに伝わるもの。「自分が特別だと思ってはならない」「自分が何かに秀でていると思ってはならない」など、十戒からなる。

参照:Norr「北欧版大和魂!?「ヤンテの掟」って?」

https://norr.jp/law-of-jante/

好きな人と結婚して、幸せに暮らすのが夢

スウェーデンで電車に乗ったときの写真

ー子どもをほしいとは思いますか?

ほしいよ~(笑)

スウェーデンでなら子どもを育てる自信があるよ。

でも”日本でパートナーと暮らして、それを会社で隠して、かつ子どもがいる”って環境を考えると、子どもが辛いと思う。

日本の場合は代理母を認めてないし、同性婚がないから共同親権じゃないし。

ー将来の夢はありますか?

「好きな人と結婚して、幸せに暮らす」というのが夢。

将来の夢をスウェーデンでよく聞かれるんだけど

「恋人と幸せに暮らしたい」

って答えてる。

一般的には職業を答えることが多いけど、その観念が薄くて。

どこに重きを置くかだと思う。僕は生活に置いちゃう。

 

旦那好きなら地方の農家でもいいし、オフィスワーカーでもいいし、正社員じゃなくてもいい。

全然スウェーデンでもいいな。

 

時差があるにも関わらず、快くインタビューを引き受けてくださった弥那さん。

学生時代のこと、スウェーデンでの生活、LGBT(Q+)についてなど、話していた3時間ずっと笑いが絶えませんでした。

聞かせてくれた過去のことや想いが、いつもニコニコしている優しい弥那さんの人柄につながっているのだな、と感じるインタビューでした。

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私たちは、「全国のセクマイサークルのネットワークを形成し、持続的な活動の後押しをする」ことを目的に活動を開始しています。ここでは大学生を中心に当事者の方にインタビューをし、彼らの生の声を発信していきます。