学生の声

【前編】ポリアモリーでもある私 ~演劇に影響を受けて~

こんにちは、!XIMIX!運営事務局のハルです。

今回私がインタビューしたのは、くるみさん。

彼女は私の通う大学の先輩で、一緒に学内でセクマイサークルを立ち上げたメンバーでもあります。

夜の19時、そろそろ大学から人がいなくなり始める頃、誰もいない広々とした教室で、私たちはインタビューを始めました。

好きな人は女性らしい表現をする人

―今日はよろしくお願いします!早速ですが、くるみさんのセクシャリティを教えてもらえますか?

自分の中でセクシャリティについてよく考えるのは、性的指向とポリアモリーの部分かな。

―ではまず、性的指向についてお伺いしますね。くるみさんが性的に惹かれる人ってどんな人ですか?

自分は女性らしい表現をする人に性的欲求を抱くかな。

―女性らしい表現をする人っていうのは、つまり、身体的に男か女かとかそういうことは関係ない?

私は、その人の身体が男性か女性か、とか性自認とかよりも、女性らしい性表現を好きになる。

だから女装してる人とか好きだな。

―へぇー、じゃあ、身体つきは女性でも、ふるまいとかが男性っぽい人とかは、対象には入らない?例えばボーイッシュな女性とか?

うーん、そこが結構複雑で。

ボーイッシュな人でも身体つきが女性的だったら、女性らしさを感じるかな。

―あれ、でもさっき、女性らしい性表現をする人に惹かれるっておっしゃってましたよね。

なので身体的な男性らしさ・女性らしさは、くるみさんの中で関係ないのかなって思ってたんですけど、そこら辺はどうですか?

自分は身体自体も性表現の1つだと思ってるから。

だから身体的に男性の場合も、女性らしい表現をする人には性的欲求を抱くよ。

ひげが濃いとか、筋肉バキバキみたいな人は、対象からはずれがちではあるけど。

 ―結構定義付けするのが難しいですね()

これっていう1つの明確な定義があるわけじゃなくて、くるみさんの中で色々な線引きというかこだわりが混ざり合ってる印象を受けました。

うーん、そうだね。ざっくりまとめると、人として好きになるのは、性別関係ないけど、性的欲求を抱くのには性別が関係あって、その場合は女性らしい表現をする人っていう感じかなぁ。

―人として好きになるっていうのは恋愛感情として?それとも恋愛も含めた「好き」全般のことかな?

もそも自分の中で恋愛感情というのがあまりにも多様に扱われ過ぎてて。

だからいったん恋愛感情というのは外においやってる。

―恋愛感情があまりにも多様化してるというのは、くるみさん自身の中でそうなってるってことですか?

それとも恋愛の定義が人によってあまりにも違うという意味?

後者の方かな。なんかね、恋愛って何だろうって思って調べたら、人によって定義がありすぎて、自分、どれに当てはまるねんってなって()

色んな人が色んなこと言ってるから、いったんそういうことは置いとこうってなってる()

ポリアモリーの定義は1つに決められない

―では次にポリアモリーについてお話を伺いたいと思います。

 

私の中でポリアモリーの定義っていまいち曖昧なんですけど。

うんうん、ポリアモリーっていう言葉自体、そこまで世に浸透しきってない言葉ではあるからね。

だからきちんとした「これ」っていう定義付けみたいなのはなくて、色んな人が自分なりに定義付けしてる

―私はなんとなく「複数の人と同時に恋愛関係になる人のこと」っていうイメージがポリアモリーにはあるんですけど、浮気との区別がけっこう難しいなぁと思って。

そこで重要になってくるのが「あらかじめ相手と合意が取れてるかどうか」っていう点だと思う。

―なるほど。最初に合意を取った上で複数の人と関係を結ぶなら、それは浮気には当てはまらないと。

でも、人によってケースも様々だからね。

途中から合意を取り始めた人もいるし、付き合ってる人の、片方には合意を取ってるけどもう片方には取ってないみたいな人もいる。

―ほんとに人によって様々なんですね。

同じカテゴリーのセクシュアルなのに、状況は皆バラバラっていうのは不思議な感じがします。

でも危険なのが、定義を1つに決めてしまうと、それに当てはまらない人はポリアモリーじゃないっていう流れがでてきちゃうこと

そうするとコミュニティに入れなくて社会から孤立しちゃう人が出てくる。

ポリアモリーの集まりとかもあるんだけど、そういう場所に来る人って、そもそもポリアモリー自体が社会で受け入れられてないから、当事者が安全に繋がれる場所を求めてるわけで。

なのに、当事者の中で誰かを疎外しようって動きが出ると、更に孤独になる人が出てきてしまう

―辛いですよね。完璧なモノアモリー*にもはまれず、かといってポリアモリーにもなれず、みたいな。

そういう人が出てきちゃうのは嫌だなって思うから、ポリアモリーのコミュニティに入る時の定義は緩くていいんじゃないかなって思う。

私の時々行くコミュニティは、故意に人を傷つけるようなことをしなければ、ポリアモリーに興味のある人は誰でもどうぞって感じだし。

モノアモリ―とは?

同時に複数の人を愛することなく、恋人がいるときは1人の人のみ愛することを望む人のこと

出典:Rainbow Life「ポリアモリーとは?〜モノアモリーとは違う、新しい愛の形〜」

https://lgbt-life.com/topics/polyamory/

付き合っていた相手とセックスしたくなかった

―そういうコミュニティが理想の形だと思います。

私たちのセクマイサークルもそんな風にやっていきたいですね。

話は少し変わりますがそもそもくるみさんがポリアモリーになったきっかけって何だったんですか?

自分は今まで女の人しか好きにならないと思ってたんだけど。

大学2年生のときに、当時入ってた劇団サークルの男性に告白をされて。

いい人だし付き合ってみるかってなったんだけど、その人とセックスしたくないなって思ったんだよね。

相手のひげとか筋肉を認識した時にちょっと萎えそうになったりすることがあって。

だからセックスする相手として別の女性と付き合いたい、だからポリアモリーを始めようってなった。

―ほー、そこが始まりだったんですね。

でも結局、その人とセックスするようにはなったんだけど。

―あ、そうなんですか?そのひげとか筋肉の問題はどうなったんですか? 

なんかね、部屋を真っ暗にしてセックスすると平気になったりするの。

でもやっぱり、そこは結構グラデーションで、部屋を暗くすれば大丈夫な時もあるけど、やっぱり無理だなって思う時もあって。

―それでセックスするならやっぱり女性の方がいいなと思ったから、今のパートナー以外の人の必要性を感じた。

うん、そんな感じかな。

ポリアモリーを知ったのは演劇がきっかけ

 ―ちなみにポリアモリーっていう言葉は以前から知ってたんですか?

それとも他の人と付き合いたいっていう思いから、どうしたらいいんだろうって調べたりしてるうちにポリアモリーに行き着いたって感じですか?

ポリアモリーのことは前から知ってたよ。

大学一年生の時、演劇にはまって、色んな所に観劇に行ってたんだけど。

その内の一つに、ポリアモリーを題材にした舞台があって、それがきっかけかな。

―面白い!そんな演劇なかなかないですよね。

ないよね!しかもそれ、岸田(國士)戯曲賞*の最終候補にもノミネートされたすごい舞台で。

その舞台がね、アメリカのポリアモリーの研究とかしていた文化人類学者とコラボした演劇だったの。 

岸田國士戯曲賞とは?

劇作家・岸田國士の遺志を顕彰すべく、演劇界に新たなる新風を吹き込む新人劇作家の奨励と育成を目的とした賞。新人劇作家の登竜門とされることから、「演劇界の芥川賞」とも称される。

出典:白水社「岸田國士戯曲賞」

https://www.hakusuisha.co.jp/news/n12020.html

―じゃあ、ポリアモリーについてすごくリアルに描かれてるわけだ。

うん、その舞台観て、あーこういう人もいるのかーって、なって。

だからポリアモリーのことは前から気にはなってたんだけど、当時付き合ってたパートナーとの事があって、じゃあ実践してみようってなった。

―実践する中で葛藤みたいなものはあったりしましたか?

葛藤したのは、私より、相手の方だね。

実は彼に告白された時点で、「あなたとは付き合うけど、2丁目の合コンとか行くし、全然他のパートナーも求めるからね。もしそれができないなら付き合えない」っていうのを明確に伝えてはいたんだよね。

―そうだったんですね。でもそう言われてもなかなか相手の方は…。

うん、気持ちの折り合いを付けるのはすごい苦労してたと思う。

だから結局、その相手とは最近別れちゃったんだけどね。

中編はこちら!

【中編】ポリアモリーでもある私 ~演劇に影響を受けて~https://tasukake.com/article/voice/tw14/5881/ 今回はくるみさんのインタビュー【中編】...
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