1995年1月の阪神・淡路大震災では、日本人だけでなく
日本にいた多くの外国人も被害を受けました。
その中には、日本語も英語も十分に理解できず、
必要な情報を受け取ることができない人もいました。
下の二つの文章を読み比べてみてください。
A
けさ7時21分頃、東北地方を中心に広い範囲で強い地震がありました。
大きな地震のあとには必ず余震があります。
引き続き厳重に注意してください。
皆さんおちついて行動をお願いします。
ガス臭いようなところがありましたらマッチを擦ったり、
照明のスイッチをつけたり、消したり、ということはしないでください。
弘前市は断水や停電となり、市民の生活は麻痺しています。
中心部の雑居ビルが完全に崩れ落ちています
B
今日 朝 7時21分、 東北地方で 大きい 地震が ありました。
大きい 地震の 後には 余震<後から 来る 地震>が あります。
気をつけて ください。
火を 使わないで ください。
火事に 気をつけて ください。
弘前市は 水と 電気が 使えません。
地震で 倒れた 建物に 気をつけて ください。
文章Aは阪神・淡路大震災のときに、
実際にラジオで放送された文を弘前市向けにしたものです。
詳しく書いてあって、たくさんのことがわかります。
文章Bは、文章Aよりも情報量は少ないですが、読んですぐに内容がわかります。
文章Bのほうが理解しやすく、日本語に不慣れな外国人にもわかりやすいと思います。
なぜなら、文章Bは一つ一つの文章が短くすっきりしていて、
難しいことばを使っていないからです。
この、文章Bで使っていることばこそがタイトルにある「やさしい日本語」です。
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